全固体CsI(Tl)検出器により、低コストと容易なメンテナンスを実現。
さまざまな環境で安定測定。低コストで保守管理も簡単。


■2011年の東日本大震災による福島第一原発事故から10年以上が経過し、当時設置された環境放射線モニタリング設備の更新が進められています。■株式会社松浦電弘社(MDS)では2011年より走行サーベイシステムを開発、販売しています。■固定型・可搬型KURAMAシステムは、近年の国及び自治体からのKURAMAに対する要望に応えるよう開発しました。■測定に必要な線量率に応じて0.001μGy/h~100mGy/hまで6種類のCsI(Tl)から任意の数の検出器をお選びいただけます。■KURAMAシステムは京都大学複合原子力科学研究所様のご指導の下、製造販売しています。
KURAMAモニタリングポストの4つの特長
1. 6種類のCsI(Tl)検出器
線量率域の異なるシンチレータ6種類。

○88H型 0.001 μGy/h~50 μGy/h
○01H型 0.01 μGy/h~200 μGy/h
○00H型 0.05 μGy/h~1.5 mGy/h
○09H型 0.1 μGy/h~10 mGy/h (電子線量計置換)
○06H型 0.2 μGy/h~10 mGy/h
○03H型 0.2 μGy/h~100 mGy/h
○上記検出器のうち任意の2個を選択いただけます。
○すべての検出器タイプで~4MeVの波高データ(1024ch)取得可能。
○JISZ4325(2019)対応。
2. 低コストシステム
低~高線量率域を1台の装置でカバー。

○1対の検出部、測定部で0.001μGy/h~100mGy/hまで測定可能です。
○新開発のフルカスタムCPUで低消費電力を実現したことによりバッテリーの小型・低価格化が図られました。
○サーバーへの通信方法は、有線、LTE、衛星に加えLPWAにも対応しており通信コストの低減を図ることができます
3. 高い耐環境性能
周囲の温度・湿度に影響されにくい。

○検出器内部に温度補償回路を有しており、検出器収納BOXに温度制御装置を必要としません。
○すべての検出器タイプで周囲温度−10℃~50℃において安定した測定が可能です。
○降雪積雪時においても加温制御不要です。
4. 容易な点検・保守・校正
少ない点検項目で安定稼働を実現。

○気体や高電圧を使用しない全固体の検出器(CsI(Tl)シンチレータ+MPPC)を採用しており、検出器~測定器間はフルデジタル(USB)で通信を行います。これによりアナログ電圧のチェック等の点検は必要ありません。
○K40によるエネルギーシフト自動調整機能を持ちます。
○88H型はオフラインデータ出力機能にてレスポンスマトリックス法によるキャンベラ様解析ソフトウェア入力に対応します。(オプション)
モニタリングポスト、他社検出器との仕様比較表
| 評価内容 | MDS 固定・可搬型 モニタリングポスト |
代表的な他社 モニタリングポスト |
|
| 検出方法 | 高線量率 | CsI(Tl)シンチレーション検出器 | シリコン半導体検出器または電離箱 |
| 低線量率 | CsI(Tl)シンチレーション検出器 | NaI(Tl)シンチレーション検出器 | |
| 測定範囲 (Gy/h) |
高線量率 | 0.1μGy/h~100mGy/h | 0.2μGy/h~100mGy/h程度 |
| 低線量率 | 0.001μGy/h~50μGy/h | 0.001μGy/h~数10μGy/h程度 | |
| エネギー スペクトル |
高線量率 | 可能 | 不可 |
| 低線量率 | 可能 | 可能 | |
| 対候性 対ノイズ性 |
高線量率 | 高 | 低 |
| 低線量率 | 高 | 低 | |
| 価格 | 高線量率 | 低 | シリコン半導体検出器 低 電離箱 高 |
| 低線量率 | 低 | 中 | |
| メンテナンス コスト |
高線量率 | 低 | シリコン半導体検出器 中 電離箱 高 |
| 低線量率 | 低 | 高 | |
設置例

導入実績(主要納入先)一覧
| 原子力規制庁 | 走行型、歩行型、可搬型 |
| 日本原子力研究開発機構 | 走行型、歩行型 |
| 日本分析センター | 走行型、可搬型 |
| 福島県 | 走行型、歩行型、リアルタイム線量計 |
| 鳥取県 | 走行型 |
| 石川県 | 走行型、固定型 |
| 滋賀県 | 走行型 |
| 愛知県 | 走行型 |
| 静岡県 | 走行型 |
| 福井県 | 走行型 |
| 茨城県 | 走行型 |
| 青森県 | 走行型 |
| 福島県農業総合センター | 歩行型 |
| 東京大学 | 歩行型 |
| 東北大学 | 歩行型 |
| 京都大学 | 走行型、歩行型、可搬型 |
| 国際航業 | 歩行型 |
| 清水建設 | 歩行型 |
| 日立造船 | 走行型 |
(敬称略)
検出器主要諸元 検出器仕様(代表例)
| 項目 | 標準仕様 |
|---|---|
| シンチレータ(88H型) | CsI (TI) 48mm 8角柱 |
| 検出素子 | MPPC(マルチピクセルフォトンカウンタ) |
| 計数効率 | セシウム137 0.01μSv/hにおいて 800cpm以上 |
| 測定範囲 | 0.001μGy/h~50μGy/h 0.001μSv/h~50μSv/h |
| エネルギー範囲 | 30keV~3MeV |
| エネルギー分解能 | 8% セシウム137 662keV |
| サンプリング時間 | 1~6000秒設定可能 |
| 動作温度範囲 | -10~50℃(外部温度制御必要なし) |
YouTubeでKURAMA

鈴木光司のパワートーク 『見えない放射線との格闘』
~KURAMAができるまで④~
https://www.youtube.com/watch?v=Msh0FgrY1l0

鈴木光司のパワートーク 『見えない放射線との格闘』
~KURAMAができるまで⑤~
https://www.youtube.com/watch?v=ZfqQf7d7z4Y
ハードとソフトの一体システムを提供